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原理

水中に疎水性物質や分子中に疎水部分(疎水基、例えばアルキル基など)と親水部分(親水基:例えばカルボキシル基など)を持つ両親媒性物質が存在すると、 その物質は水からはじかれ、物質同士で会合して集合体を形成したり、気液界面に集まるようになります。 両親媒性物質は界面活性剤が代表的であり、疎水基を気泡側に、親水基を水側に向けて配向し、気液界面に吸着します。 水中に気泡を供給すると、これらの物質は気泡の気液界面に吸着し、気泡と共に行動するようになります。
気泡は浮力で水面に向かって上昇し、水面に到達すると気泡は破泡し、気泡に集まった物質は水面及び水中に分散します。 しかし、タンパク質や界面活性剤などの物質を吸着した気泡は、水面で直ぐに破泡せず、次々浮上してくる気泡により、水面に気泡の層を形成します。 この様に直ぐに破泡せず、水面に気泡の層を形成する泡の集合体を安定泡沫と呼びます。 安定泡沫の気泡間は液体で隔てられており(液膜)、この液体は重力により下方に流れ出します。

排液が進み液膜が薄くなると気泡同士が結合し、大きな気泡へ成長していきますが、やがて安定性が限界に達して破泡してしまいます。 したがって、泡沫分離は破泡する前に、安定泡沫を系外に除去する必要があります。 除去された安定泡沫は時間が経つとし破泡し、液膜部分の液体が流れ出るため、最終的には吸着物質を高濃度に含んだ液体(泡沫水)になります。
このように泡沫分離は、疎水部分を持っている発泡物質が気泡に吸着し、水面に安定泡沫を形成する性質を利用して、 水中に気泡を供給し、供給気泡に前記物質を集合させ、水面に形成される水中よりも高濃度の前記物質を含む安定泡沫を除去することで、水中より前記物質を分離するろ過の一種です。

浄化機構

泡沫分離装置は以下の方法で、界面活性剤やタンパク質などの発泡物質を水中より除去します。
1.気泡供給
 まず最初に、装置に組み込まれている気泡供給機によって、気泡を装置内部に供給します。 泡沫分離は、気泡の気液界面に吸着する発泡物質を系外に除去することで、水中より分離する方法なので、 1)気液界面の面積、2)気泡と物質の接触効率は性能を決定する上で重要なファクターであり、泡沫分離装置の性能は気泡供給機の性能によって決まってしまいます。 したがって、泡沫分離装置の気泡供給機に要求される性能は、気泡量(送気量)が多く、撹拌力が強く、気泡径が適度(微細すぎるのは良くない)であることです。

【カーヴァスエアレーター:運転開始直後】

2.気泡への吸着
装置に供給された気泡は、気液接触部(槽)で発泡物質と接触し、発泡物質を気液界面に吸着します。 発泡物質が気泡に吸着するためには、気泡と接触する必要があり、泡沫分離装置の気液接触部分は効率よく気泡と発泡物質が接触することが要求されます。 KA式泡沫分離装置の気泡供給機(カーヴァスエアレーター)は、気泡量が多いだけでなく、撹拌機の能力を兼ね備えているのため接触効率は高く、効率よく発泡物質を気泡に吸着させることができます。

【気液接触槽】

3.安定泡沫形成
発泡物質を吸着した気泡は水面に浮上し、気泡の層(安定泡沫)を形成します。 層の高さは、泡沫の安定性、気泡供給量によって変化します。層上部の気泡は、層形成の際に気泡同士が結合するため、層下部よりも大きな気泡になります。また、気泡間の液体が排液されるため、水分が少なく、濃度が高くなります。

安定泡沫2
【養殖排水の安定泡沫】 【アワビ飼育水の安定泡沫】

4.安定泡沫の排出
水面に形成した安定泡沫は時間が経過すると破泡して、気液界面に吸着した発泡物質は水中に戻ってしまいます。 したがって、安定泡沫が破泡する前に、装置外に排出することが必要になります。

排泡配管 泡沫貯槽
【排泡口及び排泡配管】 【安定泡沫受槽】

株式会社プレスカ
佐藤 順幸