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ここで、「バイオコード」の実際の使用例を挙げ具体的な使用法を説明したいと思います。 前述したように、「バイオコード」の構造を十分に生かして使用するためには、その両端を固定してろ過槽内へ設置する必要があります。 この時、「バイオコード」の固定方法を考える場合には、設置後の管理や洗浄のことも考慮にいれなければなりません。 ろ過槽上部が完全に開放されている場合は、設置のし易さ等から金属や塩ビの枠にひもを張り、その枠をろ過槽内に投入する方法がよくとられています。

【バイオコード固定枠(小)】
小さな枠@ 小さな枠A

【バイオコード固定枠(大)】
大きな枠@ 大きな枠A

この場合「バイオコード」は、後の洗浄のことを考え、鉛直方向に張るのが普通です。 これは、ひもを水平方向で取り付けると、洗浄したときに上部のひもの汚れが下部のひもに引っ掛ってしまい効率のよい洗浄ができないためです。 洗浄は、小さな枠の場合は、ろ過槽から取り出して行いますが、大きな枠の場合は、枠の下部に散気管もしくは逆洗装置を備え、 エアーや水流をひもに当てひもを激しく振るわせることによって行ないます。

【逆洗用配管】
逆洗用配管

下の写真の現場は間引き式のワムシ培養槽のろ過に使用されているものです。 この場合は、ろ過槽の深さが浅い等の理由から例外的に、ひもを水平方向に取り付けています。 ただし、「バイオコード」の洗浄はろ過槽内の水を全て排水し、高圧水流によって行なっています。

【ワムシ培養槽のろ過】
ワムシ培養槽のろ過

枠で設置した場合の欠点は、何らかの理由で「バイオコード」を交換する必要が生じた場合、枠ごとろ過槽外へ取り出さなければならないことです。 人力で扱えるサイズであれば問題はありませんが、大きなものになると機械を使って取り出さなければなりませんので注意が必要です。
もう一つ、「バイオコード」を固定する方法としてよく用いられるのが、すだれ状加工です。 これは数本から数十本のひもを等間隔に並べそのひもの両端をロープや布で固定し、すだれ状にしたものです。

【すだれ状加工】             【縫製によるすだれ状加工】
すだれ状加工 縫製によるすだれ加工

ろ過槽へは、上部から垂下する形で設置します。この場合すだれの下部には「バイオコード」が浮き上がらないように重りを取り付けます。 この方法ですと、「バイオコード」の交換や洗浄をする場合もすだれ状に加工した「バイオコード」を1枚ずつ簡単に取り出すことができるので、 逆洗設備のない水路のような場所や、ろ材を取り出すために機械を入れることができない場所にも設置することが可能です。
上右の写真は水産試験場でウナギを飼育する水槽のろ過槽で、生物的なろ過を目的として使用したものです。 ひもの両端を布で縫製したものを塩ビパイプに取り付け、ろ過槽に垂下しました。このろ過槽も、逆洗設備がないため、ろ材を取り出し洗浄しています。
最後に前項でも触れた、単独でひもの形状を保持できる新しいタイプのバイオコード「バイオコードMK」を使用している例を紹介します。
三重県の大学の実験室では従来のろ過装置の中に「バイオコードMK」を組み合わせて使用しています。

【バイオコードMK設置例1】
バイオコードMK設置例1 バイオコードMK設置例2

下の写真の「バイオコードMK」はろ過槽内に充填し易いように、リング状に加工したものです。 ここでは、以前から使用していたサンゴ砂等のろ材と組み合わせて使用することによって生物膜の不足を「バイオコードMK」で補い、 pH調整効果など「バイオコード」にない能力をサンゴ砂で補うという複数のろ材の長所を生かした設置方法をとっています。

【バイオコードMK設置例2】
バイオコードMK設置例3

今まで説明してきたように、「バイオコード」は従来養殖用水の浄化に用いられてきたろ材とは異なる構造を持ち、 他の処理方法との組み合わせによっては、非常に高度な処理も期待できるろ材です。 特に生物的な処理に関しては、繊維の長所を生かした管理がし易い効率の良い処理を行なうことができます。 このことから、現在注目されている陸上養殖における水処理では、物理的な処理装置と組み合わせることにより、 コンパクトで能力の高い浄化システムができるのではないかと考えています。 特に泡沫分離装置は、浮遊物質の除去能力が高いだけでなく、生物的な処理で働く微生物に必要な酸素の供給を行なうことができることから、 ひも状ろ材の能力をより高く引き出すことができるのではないかと考え、現在そのシステム作りを進めています。

【泡沫分離装置】
泡沫分離装置


ティビーアール株式会社
環境事業部
山下 修